理事長挨拶

日本シミュレーション医療教育学会理事長就任にあたり

学会長(理事長) 藤倉輝道

2023年10月21日付で理事長に就任いたしました藤倉輝道です。

当学会は2013年7月1日付けで、旧日本M&S医学教育研究会と旧医療教育スキルスラボ研究会が発展的対等合併を行い、新しく「日本シミュレーション医療教育学会」として発足致しました。初代理事長の奈良信雄先生、2代目の鈴木利哉先生というシミュレーション教育の重鎮の先生方の跡を継がせて頂き、大変名誉であると同時に身が引き締まる思いであります。

本学会は医学、歯学、薬学、看護学など多岐にわたる医療系分野で、シミュレーション医療教育や研究に携われておられる方々、これから学ぼうとされている方々が集う学会です。

言わずもがなですが、いずれの分野においても臨床現場での学修と、その場に出るまでの学修(特に座学)を繋ぐ教育としてシミュレーション教育は極めて有用かつ、欠くべからざるものです。David Kolbの経験学習理論に立ち返りますと、何らかの学習経験があり、それに対する省察があり、そこから何かを学び取り、その次は試行を行い、次の実経験へと進んでいきます。これが学習サイクルであり、医療人はこれを回し続けていくことになります。この「試行」こそ、臨床技能教育においてはシミュレーション教育に相当すると考えます。従って、臨床の現場に出た後もシミュレーション教育の有用性は活かされます。専門職教育はもちろんのこと、医療安全や救急対応のチームビルディングにも活かされています。

近年は、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、シミュレーション教育の現場でもAIやVR(仮想現実)やAR(拡張現実)も含むXR(クロスリアリティ)の活用も目立ちます。シミュレーション教育そのものの進歩に加えこの領域での研究も魅力的なものになっています。

本学会では、関連する他の学会とも協働し、シミュレーション教育技法の研究、開発、確立、標準化、発信、普及に努めて参りたいと思います。さらには国際間交流、企業との共同開発等も活性化させ、多くの会員のご支援、ご協力をえて、わが国におけるシミュレーション教育の発展を目指したいと考えます。

最後になりましたが、本学会の設立ならびにここまでの発展に多大なる貢献をいただいた皆様に心から御礼を申し上げるとともに、現会員ならびに本学会に関心をお寄せいただく皆様の引き続きのご支援をお願い致したく存じます。

2026年1月20日

Posted by 日本シミュレーション医療教育学会